医療法人制度の概要
1.医療法人制度の目的
・医療法人制度の目的は、医療を提供する体制の確保を図り、国民の健康保持に寄与することにあります。その趣旨は、医療事業の経営主体を法人化することにより①資金の集積を容易にするとともに、②医療機関等の経営に永続性を付与し、私人による医療事業の経営困難を緩和することにあります。
・その結果としては、①高額医療機器の導入が容易になる等医療の高度化を図ることができ、②地域医療の供給が安定するなどの事項が考えられます。
2.医療法人の役割
・医療法人は、自主的にその運営基盤の強化を図るとともに、その提供する医療の質の向上及びその運営の透明性の確保を図り、その地域における医療の重要な担い手としての役割を積極的に果たすよう勤めることとされています(医療法第40条の2)。
3.医療法人の特徴
・以上の医療法人制度の目的及びその役割を実現するため医療法人には他の法人(会社など)とは異なる特徴があります。詳細を既述しますと膨大な量になりますのでここでは簡単に記述するに留めます。
(1)都道府県知事の「認可」が必要です(医療法第39条)。
医療法人は、道府県知事の認可を受けなければ、設立することはできませんので医療法人の設立認可の申請を行います。
(2)医療法人の非営利性
・医療法人は、医療事業の経営を主たる目的としています。医療法人は、公益法人とも区別されていますが、これは、医療事業が公益事業のような積極的な公益性を要求すべき性格のものではないからです。他方、医療法第54条で余剰金の配当が禁止され、営利法人たることも否定されています。この点で、会社法上の株式会社等とも区別されています。
4.医療法人の種類
(1)社団と財団
①医療法人社団
・複数の人が集まって設立する医療法人であり、設立のために、預金、不動産、備品等を拠出するものです(※)。※平成19年の医療法改正により、平成19年4月1日以降は出資持分の定めのある医療法人を設立することはできなくなりました。医療法人が解散したときは、医療法第44条第5項及び定款に定める方法により残余財産を処分します。
②医療法人財団
・個人または法人が無償で寄付する財産に基いて設立される医療法人です。医療法人が解散したときは、医療法第44条第5項及び寄付行為に定める方法により残余財産を処分します。
③定款と寄付行為
・医療法人社団は「定款」で、医療法人財団は「寄付行為」で、それぞれ基本事項を定めなければなりません。
(2)一人医師医療法人
・昭和60年の医療法改正前の医療法人(※)に対して、改正後の医療法人のうち常勤の医師又は歯科医師が1人又は2人勤務する診療所を開設する医療法人を、いわゆる「一人医師医療法人」といいます。しかし、医療法上は、設立、運営、権利及び義務に関して何ら区別はありません。社員、役員及び評議員が1人でいいということでもありません。
※病院又は常勤の医師又は歯科医師が3人以上勤務する診療所を開設する医療法人
・医療法人制度の目的は、医療を提供する体制の確保を図り、国民の健康保持に寄与することにあります。その趣旨は、医療事業の経営主体を法人化することにより①資金の集積を容易にするとともに、②医療機関等の経営に永続性を付与し、私人による医療事業の経営困難を緩和することにあります。
・その結果としては、①高額医療機器の導入が容易になる等医療の高度化を図ることができ、②地域医療の供給が安定するなどの事項が考えられます。
2.医療法人の役割
・医療法人は、自主的にその運営基盤の強化を図るとともに、その提供する医療の質の向上及びその運営の透明性の確保を図り、その地域における医療の重要な担い手としての役割を積極的に果たすよう勤めることとされています(医療法第40条の2)。
3.医療法人の特徴
・以上の医療法人制度の目的及びその役割を実現するため医療法人には他の法人(会社など)とは異なる特徴があります。詳細を既述しますと膨大な量になりますのでここでは簡単に記述するに留めます。
(1)都道府県知事の「認可」が必要です(医療法第39条)。
医療法人は、道府県知事の認可を受けなければ、設立することはできませんので医療法人の設立認可の申請を行います。
(2)医療法人の非営利性
・医療法人は、医療事業の経営を主たる目的としています。医療法人は、公益法人とも区別されていますが、これは、医療事業が公益事業のような積極的な公益性を要求すべき性格のものではないからです。他方、医療法第54条で余剰金の配当が禁止され、営利法人たることも否定されています。この点で、会社法上の株式会社等とも区別されています。
4.医療法人の種類
(1)社団と財団
①医療法人社団
・複数の人が集まって設立する医療法人であり、設立のために、預金、不動産、備品等を拠出するものです(※)。※平成19年の医療法改正により、平成19年4月1日以降は出資持分の定めのある医療法人を設立することはできなくなりました。医療法人が解散したときは、医療法第44条第5項及び定款に定める方法により残余財産を処分します。
②医療法人財団
・個人または法人が無償で寄付する財産に基いて設立される医療法人です。医療法人が解散したときは、医療法第44条第5項及び寄付行為に定める方法により残余財産を処分します。
③定款と寄付行為
・医療法人社団は「定款」で、医療法人財団は「寄付行為」で、それぞれ基本事項を定めなければなりません。
(2)一人医師医療法人
・昭和60年の医療法改正前の医療法人(※)に対して、改正後の医療法人のうち常勤の医師又は歯科医師が1人又は2人勤務する診療所を開設する医療法人を、いわゆる「一人医師医療法人」といいます。しかし、医療法上は、設立、運営、権利及び義務に関して何ら区別はありません。社員、役員及び評議員が1人でいいということでもありません。
※病院又は常勤の医師又は歯科医師が3人以上勤務する診療所を開設する医療法人